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第3の免疫、腸内細菌

腸内細菌による病気の予防や治療

 2011年、身体の中にいる細菌400兆匹の遺伝子全ての解析が出来るようになって以来、健康と免疫と腸内細菌の関連が次々と明らかになってきています。
 人の身体に共生している菌の中でもっとも大切なのは腸内細菌であり、その腸内細菌の数が多いこと、より複雑で多種類の腸内細菌を持っていることがその人の健康にとって重要であることが判明しました(2013年Nature)。
 腸内細菌の種類が多く、たくさんいればいる程、腸内細菌はその人の免疫機能を上昇させ病気を根本的に治していく(高血圧、糖尿病、心臓病を始め癌の再発にも大きく関連がある)ことが判明したばかりでなく、精神的な不安にもセロトニンを作りだすことで対応する力のあることが分かってきました。
 一方で、薬は一時的に症状を抑えることは出来ますが、一度おこった病気をもとの身体にもどすことは出来ないことも判明し、病気の治療について考え方に革命がもたらされたと報じられています。

 

腸内細菌を育てる食事の情報

 それでは自分の腸内細菌をより複雑なものとし、菌を増やす為にはどうすればいいか。
 答えは腸内細菌の好むえさを与えるしかないというものでした。腸内細菌の好むえさは全粒穀物(玄米や全粒パン等)とナッツ類で、この摂取は自己免疫疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病、喘息、アトピー、リウマチ、過敏性腸症等)の症状を軽くすることも分かっています。

 

 

腸内細菌をダメにする食事の情報

 逆に動物性食品(肉、魚、卵、牛乳等)は身体に炎症をおこし、各種の病状が悪化していくことも報告されています。
 又、一過性の血糖が上昇する精製穀物やバターは膵臓の負担が大きく血糖を上昇させ免疫機能が低下すると判明。
 一方で各種健康によいと思われて売られているサプリメントは病気の予防について有効と言えないことも報告されています。特に腸によいと言われているヨーグルトは実は、自分の菌ではない(外から入ってきた菌)ため、長期に摂取すると他人の菌が小腸の中に住みつくことがありこれがCIBD(小腸内細菌異常増殖症)といわれるお腹の不調(下痢、はり、便秘、痛み)等をおこすと言われています。ヨーグルトは高脂肪、高蛋白の為、摂りつづけると一過性に血糖が上昇し、膵臓に負担がかかります。2021年オランダからの報告で長期の動物性食品の摂取は、病気の遺伝子等を持たない人も、誰でも、UC、CD、IBS等になる可能性を証明しました。又、逆に長期にわたる植物性食品の摂取は、UC、CD、IBS等の症状を軽減することを証明しました。更に、化合物(薬)の効果は限定的であり完治には植物性食品の摂取が必須であることを証明しました。

 

要約すると

 癌や高血圧、糖尿病、自己免疫疾患等の病気のある方にとってこれらの病気の再発や悪化をおさえることの出来る食物は、野菜のファイトケミカルと食物繊維の長期摂取と判明しています(2021年)。
 又、現在これらの病気のある人は動物性の食事による身体の炎症をおさえるため動物性の食物(肉、魚、卵、牛乳、ヨーグルト等)を出来るだけとらないことで病気の治療に自分で参加出来ることが分かり、腸内細菌を育てることは第3の免疫治療(第1は先天性、第2は後天性)とよばれ医学のあり方を変えようとしています

 

食のピラミッド

食事のとき、我々の友人(腸内細菌)のほしがっているものは入っているか、と思いやることは我々を病気から守って、健康を回復してくれます。

 

藤好クリニック 藤好建史

炎症性腸疾患や過敏性腸症の自分で出来る食事療法

 

過敏性腸症候群(IBS)に関する情報


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