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ATM療法

ATM療法とは

ATM療法とは、抗菌剤多剤併用療法のことです。
これは、順天堂大学の大草先生の開発された治療法で軽症から難治例まで幅広くの患者さんに適応があると報告しておられます。
このATM療法が潰瘍性大腸炎に有効との根拠は発症にフソバクテリウムという菌が関係していることを突き止められたことです。この菌を除菌することが潰瘍性大腸炎の治療につながると考えられ、除菌のための薬の組み合わせを工夫され、実験を繰り返す中で3種の抗菌剤の組み合わせが有効との結果を得ておられ、
すでに潰瘍性大腸炎の方での全国的なテストを終了しています。この全国テストの結果、85%の方に1年以上にわたって有効であったと報告されています。
私どもでの使用の結果は下記のとおりです。

潰瘍性大腸炎の新しい治療ATM療法の効果

H16年9月より希望される方にATM療法を開始しました。
H22年12月末で105名の方に実施しました。19名の方は著明な効果があり、この中の8名は長年ステロイドが中止出来なかった方ですがステロイドが不要となりました。 はっきり有効性が確認できた方が全体の90%36人に達しています。1人だけが下痢がひどく続けて2週間内服することが出来ませんでしたが、他の方は少し便が軟らかくなるくらいで目立つ副作用もありませんでした。
まだ長い期間を観察していませんので完治するかどうかは不明な所もありますが、色々な薬がうまく効かない方はぜひ試してみられることをお勧めします。又、大腸全摘小腸肛門吻合術を受けた方でパウチの炎症がとれない方に使ってみましたが、現在の所3人ともに著明な効果があり下痢はなくなりました。3人のみですのでなんとも言えませんが、パウチの炎症が長引いて困っている方も試してみられることをお勧めします。

服用にあたって

大草先生はこの薬を2週間服用するだけで有効かどうかすぐに判定出来ると証明しておられます。費用は約3000円と安価なので治療をおすすめします。
この薬はそのまま単独で内服しますと下痢を起こしますので、整腸剤の併用が必要です。又、この薬は抗菌剤ですので一般的に抗菌剤を飲む時と同じように副作用はチェックしておく必要があります。(この薬だけ特別ということではありません)抗菌剤に合わない人は薬疹や肝障害・腎障害・血液異常・皮膚粘膜眼症候群等が起こることがあります。
副作用の発現は内服直後から数日後、又数週間後とさまざまですので必ず病院でチェックを受けながら服用することが必要です。

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