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痔の種類と治療について

痔とは、肛門部のさまざまな病気のことをいいます。痔の三大疾患として「いぼ痔(痔核)」「切れ痔(裂肛)」「痔瘻(痔ろう)」があります。主な症状と治療法について説明します。

いぼ痔(痔核)

痔

肛門周辺の粘膜の下には、血管が集まって肛門を閉じる働きをするクッションのような部分があります。肛門への負担が重なるとクッションを支える組織(支持組織)が引き伸ばされ、クッション部分が大きくなり、出血したり肛門の外にでたりするようになります。これがいぼ痔です。

痔核は、歯状線よりも上部に生じる内痔核と、歯状線より下部に生じる外痔核に分けられます。臨床では、内痔核と外痔核が連続した内外痔核として認められることがほとんどです。

痔核は、いきみの繰り返しや、便秘、激しい下痢、重いものを持つなどの肛門への負担により、肛門クッションのうっ血、過伸展、断裂が少しずつ進行し、腫れや脱出を起こして形成されると考えられています。

いぼ痔(痔核)の治療

 

外痔核の切除とジ オン注射によるALTA療法の併用で日帰り手術が可能です。

いぼ痔(痔核)の手術が入院期間が短期で終了する理由
手術は痔核根治術を実施します。
一般的に行われてる痔核根治術は図のごとく出ている痔核を内外痔核ともに切除しますが、この方法ですと術後の痛みが強く2〜3日での退院は無理があります。

この原因は肛門の奥深くまで切除する為に肛門上皮というもっとも敏感な部分まで切除することによります。
そこで藤好クリニックでは内痔核と外痔核に分けて治療を行うという方法をとっています。
即、外痔核(外に出ている所)は切除しますが、この部分の切除ならばそれ程痛くないのです。
内痔核(もっとも敏感な部分)は切除せずにALTAといわれる物質を注入することでメスを入れずに治療します。この為、痛みが少なく短期入院での治療が可能です。

当院でおこなうの方法と全て切除では再発率に3~5%の差があると言われています。即、3~5%全切除した方が再発率が低いということです。しかし、10日~2週間もの入院が出来ない方にとってはこの差は大切な物とは思えませんので、私どもでは切除+ALTAによる治療をすすめてています。

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きれ痔(裂肛)

痔

歯状線(しじょうせん)(直腸(ちょくちょう)と肛門管(こうもんかん)の境界)より下の、肛門の出口に近い部分にできる裂創(れっそう)および潰瘍(かいよう)です。肛門が切れたり裂けたりした状態です。便秘などで硬い便が通ることによって切れることがほとんどですが、 下痢や軟便が勢いよく出ることによっても起こることがあります。

切れ時の症状の段階

初期裂肛・急性裂肛

できたばかりの切れ痔を急性裂肛といいます。排便のコントロールと坐薬などのお薬を使うことでほとんどが良くなります。

慢性裂肛 傷が慢性化した状態で傷が便に汚染され感染を起こし、 どんどん傷が深く掘れこんでいき潰瘍化した状態です。
肛門狭窄症 傷の炎症が筋肉まで及んでしまって肛門が狭くなってしまったり、 裂肛が繰り返されることによって肛門の上皮がつっぱって伸びが悪くなってしまい簡単に裂けるようになってしまった状態です。鉛筆ほどの太さの便しか出なくなったり、やわらかい便が出ても簡単に肛門が裂けるようになります。 排便のたびに冷や汗が出るほどの痛みを伴うケースもあります。

 

きれ痔(裂肛)の手術

切れ痔の手術も短期入院が可能です。

切れ痔(裂肛)の手術の入院期間が短期で終了する理由
私どもで実施していますのは狭くなった肛門の側方切開と浅外括約筋切開という方法(Ⅰ)です。イギリスで開発され世界的に採用されています。この方法は肛門の片方のみを切開して広げるような方法で排便のたびに少しずつ治療が進んでいき1月後くらいしてから治癒するという方法ですが、1ヶ所の切開のみで侵襲がすくなく退院後はすぐに日常生活となり、入院も1~2日間で済みます。切れ痔 肛門側方切開と浅外括約筋切開

一方、日本の多くの施設で採用されているのはスキングラフトと言われている方法(Ⅱ)は切れ安い部分の悪化した皮膚を別の所の皮膚を移動させて新しい皮膚でおおうというやり方で日本で開発された日本特有の方法です。この方法では奥の深い所まで切開しますのでやはり痛みがあるため7~10日入院してもらっている施設が多いようです。

日本の多くの先生方はこの方法では教育を受けておられますので多くの施設でこのⅡの方法が採用されています。ⅠⅡともに治療の根治度は変わらないと考えており私どもではより入院期間が短くてすむⅠの方法を採用しています。

痔瘻(痔ろう)

痔瘻肛門周囲膿瘍(こうもんしゅういのうよう)という炎症が進行して、慢性化したものをいいます。肛門の奥にある「肛門陰窩」(こうもんいんか)というくぼみから便が入り込んで感染し、肛門のまわりに膿がたまる病気です。 破れたりして出来た出口から出てくる「膿の通り道」が出来てしまった状態のことを言います。 簡単に言うと、肛門の穴とは別の出口をもつ「膿のトンネル」ができた状態です。

痔瘻(痔ろう)の手術

痔瘻(痔ろう)の手術の入院期間が短期で終了する理由
私どもではバンドライゲイションというゴムのようなバンドを痔瘻の孔に通し、これを締めて少しずつ管を開放するという方法を用いて根治術を行っています。

痔瘻バンドライゲイション

この方法は元はイタリアで開発された方法で現在は世界に広まりつつあります。

Ⅰ→Ⅱ→Ⅲの順に外来にて1~2週間に1回(病状に応じて)締めなおします。
この治療は外来にておこなっておりますので日常生活に負担をかけることはありません。
バンドを挿入するとき痔瘻の複雑さに応じて入院が必要な場合もありますが約1~3日で終了します。
これが入院日数が少なくてすむ理由です。
日本でもいくつもの施設でこの方法が採用されておりいづれも短期入院で治療が行われています。

 

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