【出典】万病回春
【組成】地黄、当帰、桃仁、麻子仁、枳穀、厚朴、大黄、杏仁、黄芩、甘草
【効能】滋陰補血、潤腸通便
【主治】血虚・陰虚の便秘
【適応症】
皮膚や口唇につやがない、口渇、咽喉部の乾燥感、やせるなどの陰血不足の症候に、便秘あるいは兎糞状の便を伴うもの、舌質が紅、舌苔が少ない、脈が細数など
【処方解説】
地黄は滋陰補血により体を栄養・滋潤する。当帰は補血活血で地黄を補助する。麻子仁、桃仁、杏仁、当帰は「潤腸」作用によって腸管を潤し糞便を軟化して緩下に働く。枳穀・厚朴は行気・散結・消滞の作用により腸管の蠕動を促進して消化吸収と排便を助ける。黄芩は清熱瀉火の効能があり、虚熱を清熱する。大黄は瀉下作用によって通便を強める。甘草は諸薬を調和する。全体は滋陰補血、潤腸通便の効能により体液を補充し滋養強壮し、腸管を潤し緩下するもので、老人や虚弱者に適している。

【参考】
本方は薬理研究によって、以下のことが証明されている。
(1)滋養強壮作用、(2)通便作用など。

【臨床応用】
本方は習慣性便秘、老人や虚弱者の熱性疾患の回復期・産後などの、陰虚や血虚による便秘に適応する。

【使用上の注意】
(1)腹部の冷感や冷えを伴う便秘に投与しない。
(4)妊婦に慎重に投与すべきである。