第一節 中医大腸肛門病学の沿革

第一節 中医大腸肛門病学の沿革

中医大腸肛門病学は中国伝統医学の中に極めて珍しく貴重な構成部分であり、中国人民が長い歴史の中で大腸肛門疾患と戦った知恵と経験であり、数千年の中医学発展を経て、系統的な理論及び豊富な経験を持つ独立的な中医学科となっていると考えられる。

三千年前の商時代から最も古い文字である甲骨文の中に“下痢”などのような古い病名が記載されている。現存の最も古い医書とする《五十ニ病方》の中に春秋時代以前の医学成績を反映し、大腸肛門疾患の内容を記載されている。その後、時代の流れによって《黄帝内経》、《神農本草経》、《傷寒雑病論》、《千金方》、《外台秘要》、《諸病源候論》などの古医書の中に大腸肛門疾患に関する解剖・生理・病理及び病名の分類・病因病機などの内容が散在に記載されていた。
中医大腸肛門病学が宋の時代から初めて独立的な中医学科となり、いろいろな専門著作が出版された。例えば宋時代の《五痔方》、《痔瘻篇》、《痔瘻論》などの専門著作があり、明時代の《外科正宗》、清時代の《馬氏痔瘻科七十二種》、《外科大成》などが出版された。それらの専門家および著書は中医大腸肛門病学の形成と発展に大きな貢献を与えた。

宋の時代以後、大腸肛門疾患の病因病機に対する認識は次第に形成され、例えば“風湿熱邪の侵入”、 “湿熱下注”、“臓腑本虚”などの病因説が挙げられた。千年以上歴史の中で臨床実践および理論的な発展によって中医大腸肛門病学が明・清の時代までに有効な治療方法を持つ独立学科として形成され、“痔、瘻”などの病名も世界中に採用され、今でも使用されている。治療方法は枯脱療法、掛線療法、手術療法、薬物内服法などがある。

中華人民共和国成立後、中医大腸肛門病学の発展は新しい時代に迎えていた。政府は中医学を発展させる政策を作り出し、中医学の教育を普及するため、各地に大腸肛門病院や研究所を設立し、普通の病院でも大腸肛門病科を設立した。1955年に衛生部は中医の痔瘻療法を普及するため、全国中医痔瘻療法セミナーを開催した。1971年以来、中国中医研究院や中国中医学会によって多くの大腸肛門病学セミナーや勉強会を開催し、教育部や衛生部によって西洋医科大学や中医薬大学で大腸肛門病学教室を設立し、大腸肛門病学の専門医師を養成した。1980年に全国大腸肛門病学会が設立し、中医学・西洋医学・中西医結合医学の三つ学術団体から組成され、各分野で大腸肛門病の治療・研究を促進していた。また全国大腸肛門病学会によって《中国肛腸病雑誌》が発行され、中医大腸肛門病学の学術交流を促進した。

現在、中医大腸肛門病学が更に発展し、いろいろな専門著作が出版された。代表的な著書は《中医肛腸病学》、《中医肛腸科学》、《肛腸科病最新中医治療》、《中西医臨床肛腸病学》などである。





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