肛門大腸疾患は日常臨床でよく見られる疾患であり、発病率はかなり高い疾患である。中医学では何千年の歴史の中にいろいろな治療経験が集まった。治療だけではなく、肛門大腸疾患の保健や予防などの経験もたくさんあった。
中医学では最初の医学書「黄帝内経」の中に“未病”を治療する思想が記載されていた。“未病”というのは病気にまだなっていない前段階を指し、未病の治療とは病気を治療する場合にはできるだけ病気の初期あるいは前段階で治療することである。治療より保健(体の元気の状態を守る)・予防(病気にかからないように)を重視することが中医学の重要な特徴のひとつと考えられる。