中医的な治療とは
中医的な治療は、中国古い哲学理論(陰陽五行論)を引用して体のバランスおよび病理的な変化を説明し、その変化によって現れる証を弁別して治療する。即ち局部の紅・腫・熱・痛・瘀を弁別する...
続きを読む第一節 内痔
内痔は人類のもっとも古い疾患の一つであり、中医学では何千年以来、痔の治療や予防に対して多くの治療経験と優れた治療方法が集まった。現代医学では痔は生理素因・便秘・遺伝・飲食・過度疲...
続きを読む第二節 外痔
痔は肛門縁に位置し、肛門周囲の皮膚におおわれた皮下静脈叢である。臨床では疼痛、肛門掻痒感、異物感、排便困難などの症状が見られる。中医学では湿熱下注、脾虚気陥などが原因で気血の運行...
続きを読む第三節 裂肛
裂肛は主として若年成人に見られるが、ときには幼児、子供にも見られる。肛門管移行部の単なる裂けとして始まる縦走性の潰瘍であり、辺縁が下堀様となり底部が深くなり、内括約筋の輪状線維が...
続きを読む第四節 肛門周囲膿瘍
肛門周囲膿瘍は、肛門や直腸の周囲組織に急性・慢性感染を起こし、膿瘍を形成することである。臨床では20~40才の人によく見られ、男性が女性より多い。特徴は急性発症、激しい疼痛、肛門...
続きを読む第五節 痔瘻
痔瘻は直腸、肛門管腔と周囲皮膚が通じる瘻管であり、肛門周囲膿瘍と、同一疾患が異なった病像をみせたものにすぎない。このうち10%は、他の疾患の随伴病変として見られる。本病は臨床でよ...
続きを読む第六節 直腸脱
直腸脱には、直腸全層が脱出する完全直腸脱と粘膜のみが脱出する部分的なものがあり、肛門大腸疾患の難病の中の一つである。発病は小児、老人、産婦および虚弱体質の若い成人によく見られる。...
続きを読む第七節 直腸・結腸ポリープ
直腸や結腸のポリープは、大腸外来でしばしば発見される病変であり、受診患者の約10%に認められる。ポリープは、粘膜上皮に生じた限局性隆起病変であり、有茎性のものと無茎性のものがあり...
続きを読む第八節 潰瘍性大腸炎
潰瘍性大腸炎は主として大腸の粘膜を侵し、しばしば糜爛や潰瘍を形成する原因不明の糜爛性非特異性の炎症疾患である。患者の年令層は広く、子供でも見られる。原因はまだ不明で免疫病理的機序...
続きを読む第九節 下痢
下痢は糞便内の水分が多くなって、水様あるいは泥状となった状態であり、急性下痢症と慢性下痢症に分けて考えられる。急性下痢症は西洋薬で十分に対応できるが、慢性下痢症には西洋薬だけでな...
続きを読む第十節 便秘
一、概説便秘は患者の排便困難及び排便回数の減少を指す。臨床的には硬便、排出困難があり、硬い便が腸の粘膜を損傷すると便の表面には少量の血液や粘液が付着し、排便時に肛門が痛く...
続きを読む第十一節 肛門掻痒症
肛門掻痒症は疾患ではなく症状であって、局限性皮膚疾患に見られる。掻痒感は一般的に肛門周囲に限局するが、ときに会陰前部まで達する。肛門掻痒症は、原発性皮膚疾患あるいは肛門周囲の局所...
続きを読む第十二節 肛門湿疹
肛門湿疹は大腸肛門外来によく見られるアレルギー性皮膚疾患である。湿疹が肛門、肛門周囲皮膚に限局するがしばしば会陰部や外生殖器にいたる。臨床上では、湿疹、掻痒、局部の分泌物などが主...
続きを読む第十三節 過敏性大腸症候群
過敏性大腸症候群とは、腸管の緊張や運動、分泌などの機能異常であって、器質的な変化ではなく、腹痛や便通異常などを伴うものである。臨床では腹痛、腹鳴、便秘と下痢の交代、悪心、嘔吐、腹...
続きを読む第十四節 結腸癌
結腸癌は消化管によく見られる悪性腫瘍であり、41~50歳の年齢に多発する。臨床では右側結腸癌の場合には下痢、腹部の鈍痛、貧血、全身衰弱などが多く、左側結腸癌の場合には便秘、腹痛、...
続きを読む第十五節 便失禁
便失禁は、肛門の排便コントロール機能を失ったことによって現れる症状である。臨床では完全性便失禁、不完全性便失禁、感覚性便失禁に分けて考えられる。完全性便失禁は正常な便も水様便もコ...
続きを読む第十六節 肛門直腸神経症(不定愁訴)
肛門直腸神経症は、各系統の検査や実験室検査により肛門直腸に器質性疾患がないが、局部の感覚異常(疼痛、腫脹感、異物感、熱感、蠕動感、特別な臭い、しびれ感など)を訴え、精神症状(精神...
続きを読む第十七節 放射線腸炎
放射線腸炎は放射線治療で照射線量が40Gy以上になると腸管に障害をきたし、腸粘膜の炎症・腸壁の繊維化・壊死などの病理的な変化を引き起こすことである。照射後2-3日で急性炎症をきた...
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